2013年09月30日
西穂高から間ノ岳からジャンダルムから奥穂高岳
ウラから見たジャンダルム↑
昨日、3年前よりの夢であったジャンダルム(3160m)の登頂を敢行いたしました。
出発は西穂山荘(2385m)、前日に新穂高からロープウェイを使って山荘に入りましたが新穂高ロープウェイ西穂口(2150m)から西穂山荘まではたったの40分、山小屋に来たという感じがしません。
それでもこの日の山荘は大混雑、土曜日なのである程度は覚悟していましたが1枚の布団で2人が寝ると言う劣悪な環境で翌日は寝不足で、今回のこのルートは初めての挑戦であり北アルプスで最も危険な一般ルートと言われてコースタイムでは10時間掛かることになっており果たして奥穂まで到達できるか不安になりました。
もともと私は土曜日に山に行かなくても平日に行ける環境にあるのですがお天気マークがこの土、日だけが晴れマークなので行くしかありませんでした。
そんな事で出発は9月29日朝5時40分と当初より早めに山荘を出ました、天候は晴れ気温高目、風はありません。
西穂山荘前にて↑
山荘に宿泊した殆どの人は西穂か独標までです。皆一斉に登りだすので独標や西穂手前では渋滞で前へ進めません。
私は奥穂まで行くのでとお願いして先に行かして貰いました。
独標(2701m)まで45分、ここからでも十分素晴らしい展望です、西穂まで更に45分で到着できました。
西穂高岳(2909m)からの眺望は素晴らしく笠ヶ岳も大きく見えます。
まだ時刻は7時20分、ここから先に進む人は誰もいません、と思っていたら500mほど先に単独の人が見えます。
西穂高岳頂上↑
さて、小休止もしたし行きますか、昨夜山荘で同室だった人が先が長いからとお菓子をくれました、いい人ですねぇ。
この先どんな試練が待っているか、天気は持つか、一番の核心部は最後の最後、奥穂のほんの300mほど手前の「馬の背」と言われているところだがそこが通過できなかったらどうするか?など一人なので色んな思いが頭の中をグルグル!
何せエスケープルートは天狗のコルから岳沢小屋に降りるルートがあるだけだ。
西穂高岳を後に険しいルートを下って行く、前方に間ノ岳、ジャンダルムが見え、遠くに双六岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、三叉蓮華、槍ヶ岳など山が一杯見える。
南には富士山、南アルプス、八ヶ岳、乗鞍、そして焼岳は下の方に見える。
間の岳の登りで前から来た単独の人に出会う、奥穂を4時30分に出てきたそうだ、それにしてもずいぶん早い気がして私も以外と早く奥穂に着けるかなと一瞬甘い考えが頭の中を過ぎった。
間ノ岳に着くとやはり単独の人が休憩していて写真を撮りっこした。
ここで時刻は8時15分、ペースは快調な感じがした。
間ノ岳から今度は間天のコルまで下がるが眼下には春にお世話になった岳沢小屋や上高地が良く見える。
間天のコルを過ぎると天狗の頭を目指した登りだ。
険しいアップダウンがあるがホールドは一杯あるので三点支持を守って落ち着いて行動すれば問題ない。
天狗の頭から槍ヶ岳方面↑
9時10分やっと天狗の頭だ、大分ジャンダルムが近ずいて参りました。
天気がいいので景色は最高だ!
天狗の頭からは垂直の鎖でコルに降り立つ、ここからは岳沢小屋に降りることができる唯一のエスケープルートがある。
今日は天気も良く、時間も十分あるのでエスケープの必要は無く先に進むこととする。
しかしここから眺めるジャンダルム方面はいったいどこを歩けば良いのか全く分からないくらい険しい道程だ。
天狗のコルからはどんどん上るのみ。
稜線からは眼下に岳沢小屋が豆粒位に見える。
10時30分になった、大分お腹も空いてきて疲れも出てきたのでここでおやつタイムとしアンパンを食べて小休止、しかし相変わらず天気よく、暑くも寒くもない最高の条件である。
ただ水がポカリの500ccしか持ってきていないので乏しくなってきた。
10時50分とうとうジャンダルムの上り口までやってきた、こちらからのジャンダルムは簡単に上れる、これで12時までには奥穂高岳に着けるとこの時は思った。
ジャンダルムへは10分程で登れ遂に憧れのジャンダルムの頂きに立った、時刻は11時5分、感激の一瞬だ。
ジャンダルムの標高は国内第3位の奥穂高岳(3190m)より30m低いだけでその山容は堂々としたもので岳人の心を深く魅了するもので誰もが憧れるでしょう。
奥穂高岳からも近くに見え、ちょっと足を延ばしてみたいと考える人も少なくないと思いますが安易に近ずいてはいけないことがこの後すぐに分かった。
私はジャンダルムの頂上で奥穂までは後30分位だと安易に考えて写真を撮ったり、360度の眺めを楽しんでいた、そしてそろそろ奥穂に向かおうとジャンダルムを下りはじめ後は稜線伝いだと思っていたらロバの耳の手前でルートは飛騨側をどんどん下って行くではないか。
標高で100mほど下がりロバの耳のコルに出た。
ここからまた上りはじめとうとう馬の背と岩にかいてあるところまできた。
そこは幅80センチほどの尾根で右も左も500mほどスパッと切れた絶壁である。
恐る恐る通過するが強風の時は通過は困難かもしれない。
馬の背を過ぎると奥穂はもう目の前で12時10分に遂に奥穂高岳に到着!
ジャンダルムから1時間、西穂山荘からは実に6時間30分掛かって到着した。
奥穂山頂では多くの人が休んでいた、私もここで弁当を広げて長かった6時間30分を思い浮かべ、今日このルートを走破できたのはとてもラッキーであったというのが実感である。
今年、奥穂山頂はこれで3回目である、この後今日は穂高岳山荘泊の予定であったが前回大キレット縦走の時にも宿泊しており大変混雑していてユックリ休めなかったのでまだ時間も早いことからこのまま白出沢を下って新穂高温泉まで帰って温泉で1泊することにした。
穂高岳山荘からの白出沢は初めてで上部はかなり急で落石も怖い、現に今年6月に落石で亡くなった山スキーのドクターがいるのであまり気が進まないがクルマの置いてある新穂高までの最短ルートなので気を取り直して降りてみることにした。
このルートは上部はとても急斜面でペンキマークがとても分かりずらいし石も滑りやすく濡れてないのに3回も滑って尻餅をついた、そしてブラックダイヤモンドのストック片方が折れてしまった。
標高2500m位からはやっとルートがはっきりしてきて荷継小屋後を過ぎて白出大滝の高巻き道のほうに入るがガスった場合これを見落として真っすぐ沢を降りて行くと大変危険なことになります。
それでもがんばって降りたので2時間で右股林道まで降りた。
そこから林道を新穂高まで30分で着けて福地温泉の「孫九郎」に直行した。
2013年09月13日
奥穂高岳〜大キレット走破〜槍ヶ岳
大キレット長谷川ピーク手前↑
今回の山行の大きな目的は昨年から実行したかった大キレットの攻略である。
このルートは高校2年生の時以来で実に何十年振りである。
今回は天気にも恵まれた、雨だったりガスが濃ければキレット越えは無理であろう。
岳沢から紀美子平↑
9月10日、入山は上高地から、遅い出発で10時にまず岳沢小屋(2130m)を目指します、この時点で河童橋から穂高の稜線は見えておりました。
岳沢小屋まで、1時間25分掛かり、小屋前は降りる人登る人でにぎわっております。
小屋左手にはこの春にスキーで滑り降りた天狗沢も見えております。
10分ほど休憩し次は標高2900mの紀美子平を目指します、この重太郎新道はとても急登で手も使って攀じ登る感じです。
岳沢小屋から1時間35分で紀美子平到着、ここまで来るとガスに覆われました。
ここは前穂と奥穂の分岐点で今日は前穂には登らずに即、奥穂方面、吊り尾根を行きます、晴れていれば上高地方面も見え景色は最高なのですが今日はガスで何も見えません。
南稜の頭に出たと思ったらその200mほど先に奥穂高岳頂上(3190m)がありました。
ここもこの春に来ており視界も無いのでそそくさと下り始め、3時20分に穂高岳山荘に入った。
穂高岳山荘前のご来光と雲海↑
穂高岳山荘は9月の平日だと言うのに大変な混雑で食事は2回転、130人ほどの宿泊客です。
穂高岳山荘の朝は慌ただしい、朝食は5時から、その前にご来光を見る人、ご来光を見るのは超便利、小屋を出て10mほど歩けばいいだけ!
朝食が終われば、皆出発です。奥穂方面に正面の岩場を上る人、大キレット目指して涸沢岳を上る人、
涸沢方面にザイテングラードを降りる人、白出沢を降りる人は少ないかな?
私も白出沢を降りるのはちょっと好まない、人口落石が怖いので!
でも何時か降りなければならない時が来るような予感がします。
朝の穂高岳山荘前↑
北穂高岳頂上↑
北穂高岳頂上は大キレットの始まり、北穂小屋テラス横から降りて行くとまず飛騨泣きという難所があり細心の注意と三点指示の体制を取りながらどんどん降りて行きますが落ち着いてゆっくり降りて行けば大丈夫そうです。
一番降り切ったところがA沢のコル、数年前にここから本谷橋までスキーで滑り降りたことがあります。
長谷川ピークにて↑
中岳から、槍ヶ岳がだんだん近ずいて来る↑
槍ヶ岳山荘に到着↑
槍ヶ岳は3年振りです。今まで私が泊ったのは空いてる時期ばかりで今日のように人が多いのは初めてです。
山小屋は混んでいると疲れも取れないしできるだけ空いている時に行きたいものです。
槍ヶ岳頂上に登る↑
槍の頂上は肩の小屋から30分位で殆どの人が上れると思いますが、クサリ場と最後は二段のはしごでちょっと高度感があります。
翌日は朝から小雨と濃いガスで天気が良ければ西鎌尾根から下山しようと思ってましたがこの天気では即上高地へ向けて下山と決め込んで7時に槍ヶ岳山荘を出発,槍沢ロッジ、徳沢経由で上高地に11時着いた。